この記事では、通常2〜3ヶ月かかるといわれる、長くて複雑な伝統金継ぎの手順を、シンプルに5つに分けて、小学生でもわかるくらい簡単に説明します!
工程1. 割れた破片を接着する
お皿は、よく洗い汚れを落として水気を切っておきます。生漆(きうるし)・小麦粉・水を混ぜてできた天然の接着剤、その名も「麦漆(むぎうるし)」でくっつけます。小麦粉は、ご家庭にある一般的な薄力粉をご使用ください。
麦漆を破片の断面に塗るときは、竹へらが使いやすいです。接着した時、破片同士の高さに段差ができないよう、元の形へとピッタリ接着し、重力でズレてこないようにしっかりマスキングテープで固定します。
中級〜上級者:破片の角を面取り(めんとり、角を丸める)してから接着すると、よりキレイに仕上がります。そのときに使える、金継ぎキットとは別売りの2つの商品はこちらです。
工程2. 欠けを埋める
工程1で作った麦漆(生漆+小麦粉+水)に、木粉(きこ)と砥粉(とのこ)を混ぜてできたパテで、陶器の欠けを薄く(最大0.5〜1mm厚ずつ)埋めます。この茶色い固いパテを、刻苧(こくそ)と呼びます。少し埋めては乾かし、少し埋めては乾かし…を何回も繰り返します。深い欠けほど、時間がかかります。
工程3. 小さな穴を埋める
工程2のパテ、刻苧(こくそ)で穴が埋まったら、盛り過ぎた部分がないように、空研ぎサンドペーパーで真っ平らになるまで研ぎます。そして、砥粉(とのこ)・水・生漆(きうるし)を混ぜてできた細かいペースト、その名も「錆漆(さびうるし)」を、割れの隙間や工程2のパテの上に塗り、表面をさらに平らにします。錆漆を塗るときには、金継ぎキットに付属の竹へらでできますが、別売りの「よくしなるプラスチックへら」が非常に使いやすいです!
工程4. 黒漆を塗る(中塗り)
工程3のペースト、錆漆(さびうるし)が乾いたら、耐水ペーパーで真っ平らになるまで研ぎます。次に、生漆(きうるし)を精製します(くろめる、といいます)。そこに黒粉を混ぜ、黒漆(くろうるし)を作ります。平らになった錆漆を覆うように、面相筆を使って黒漆を塗り、乾かします。
生漆を精製して黒粉を混ぜて黒漆を作るプロセスを省き、早く工程を進めたい方は、すでに作られた黒漆のチューブ入りも販売しています。
工程5. 仕上げの金粉を蒔く
乾いた黒漆の表面を耐水ペーパーで軽く水研ぎし、マットな表面にします。続いて、また生漆を精製し(くろめ)、そこに、今度は弁柄粉を混ぜて、弁柄漆を作ります。マットになった黒漆の上に、弁柄漆をとても薄く塗り、最後に真綿を使って金粉を蒔いて、できあがり!細い線には、極細蒔絵筆があると、はみ出しにくいです。
生漆を精製して弁柄粉を混ぜて弁柄漆を作るプロセスを省き、早く工程を進めたい方は、すでに作られた弁柄漆のチューブ入りも販売しています。
金継ぎの手順5工程まとめ
このように、伝統的に言い伝えられてきた金継ぎの技法は、簡単にすると5つに分けることができます。それぞれの工程で特殊な道具・材料を使用するので、金継ぎキット1つ買っておくと便利です。
たくさん金継ぎして、金継ぎキットに入っている消耗品・材料がなくなったらどうしよう?と心配になったあなた。使い切ってしまっても大丈夫です。つぐつぐでは、金継ぎキットの中にある特殊な材料・道具を、ほとんど全て単品販売しています。
そして金継ぎキットに含まれないけれど、あると便利なグッズも販売しています。最初からキットに含めてしまうと、どうしてもキット自体が高額になってしまうので、別売りにしました。まずはスターターとしてキットを購入し、必要に応じて中級〜上級アイテムを買い足すと良いでしょう。
つぐつぐの商品は店頭でも販売していますが、全てオンラインで通販でも購入可能です。日本(あるいは海外)のどこにいても、金継ぎグッズを手に入れて、楽しめるようにしています。海外にお住まいの方は、海外通貨で決済でき、海外発送できる、英語のショップサイトからお買い求めください。
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