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極細 蒔絵筆

¥998

蒔絵筆はこんな方におすすめ
①手が震える
②細い線を描きたい
③金継ぎの塗りではみ出しがち

サイズ:筆全長181mm(キャップ付約190mm)、穂長14mm

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細い線をはみ出さずに描く
救世主

金継ぎ初心者〜上級者まで幅広く使えます。特に金継ぎでは、割れの継ぎ目・ヒビを細く丁寧に修復する必要があるため、この蒔絵筆が活躍します。手が震えやすい人は、14mmの長い穂先が振動を吸収し、筆先に振動が伝わるのを抑える効果があります。

この蒔絵筆は、当社の「蒔絵キット」に含まれています。一方、当社の金継ぎキット「つぐキット」には付属しておりません。つぐキットは、欠けなど広い面にも漆を塗ることも想定しているため、多様な太さ・形を塗るのに適した「面相筆」を代わりに付属しています。より細い線を描きたい方には、この蒔絵筆がおすすめです。当社の金継ぎ師も、一人一本以上必ず持っています。

蒔絵キット

面相筆

▲ 蒔絵筆より少し太い面相筆。欠けの塗りはこちらが便利

筆先が乱れにくい
形状記憶

筆先はナイロン製で、形状記憶機能があるため、筆先が元に戻りやすいです。筆を長期間使用する際に非常に便利で、常に最適な状態で作業を続けることが可能です。使用しているうちに毛先が外側に広がってしまっていても、熱めのお湯に漬ければ本来の形状に戻ります。ただし、筆先を巻き込んでキャップをしてしまったり、完全に毛が折れてしまったら、元に戻すのは難しいです。その場合は新しい商品をお買い求めください。

一般的に筆先には動物の毛が用いられることがあります。動物の毛は柔軟性と弾力性があり、筆先の形状や描画時の感触に大きく影響します。一方、ナイロン製の毛は耐久性があり、洗浄が容易で、漆を均一に塗布するために適しています。

海外で手に入れにくい

海外では日本の繊細な穂先の筆を入手するのは難しいので、つぐつぐの店舗に訪れる海外の方は、必ずまとめ買いする商品です。様々な太さ・長さの穂先の筆を何本か持っておくと安心です。 金継ぎや蒔絵は日本の伝統的な技術であり、この筆を使用することでその技術を学び、実践することができます。文化的な価値を感じながら、自分自身の作品を作り上げる楽しみがあります。

金継ぎだけでなく、他のアートにも

蒔絵筆は金継ぎだけでなく、油彩、水彩、アクリルなど様々な絵具にも使用可能です。これにより、アートやクラフトの幅広い用途に対応できるため、アーティストや趣味で絵を描く人々にとって非常に便利です

使い方

■ 使い始め:ナイロン製の蒔絵筆は購入時にノリがついているため、最初に使う際には、以下の手順を行うことが推奨されます。

  • ノリの除去: 蒔絵筆を使用する前に、筆に付着している可能性のあるノリや汚れを取り除くことが重要です。温水を使用して優しく洗浄します。洗浄後は、しっかりと水気を切り、自然乾燥させます。

■ 使い終わり:漆を使い終わった筆の洗い方と保管方法は、以下の手順に従って行います。

  1. 油で洗う: 漆が付いた筆は水で洗うことができません。まず、サラダ油や菜種油を少量含ませます。これにより、漆が油に溶け出します。
  2. 作業板で動かす: 筆を作業板の上で前後に動かしながら、優しく捻ります。これにより、油が筆の中まで浸透し、漆と混ざった油を掻き出すことができます。
  3. ティッシュに描いてみる:油が含まれた筆先をティッシュに押し付け、線を描きます。漆の色がついていたら、まだ漆が取りきれていない証拠なので、再度油で洗います。
  4. 繰り返し洗浄: 油を再度含ませて作業板で動かす作業を繰り返します。漆がほとんど除去されるまでこの作業を続けます。
  5. 最後の仕上げ: 最後に、筆にきれいな油を含ませたまま、キャップします。キャップがなくなってしまったら、サランラップで筆先を包み込むようにして巻きつけます。これによって、筆先が乾燥するのを防ぎます。

次回使用時は、必ず油を除去してから使い始めます


▲ 筆先をエタノールで洗い油を除去する様子

■ 保管方法

  1. ホコリが入らないような蓋付きの箱などに保管することが推奨されます。
  2. 長期間使用しない場合は定期的に油で洗浄し直すことも重要です。

豆知識
伝統的な蒔絵筆メーカーの廃業

日本における伝統的な蒔絵筆の製造業者は、近年廃業が相次ぎ、現在ではわずか2社しか残っていないという状況です。この問題にはいくつかの重要な要因があります。

  • 需要の減少: 伝統的な漆器や蒔絵技術への需要が減少しており、特に若い世代の消費者が伝統工芸品に対して興味を持たなくなっています。これにより、蒔絵筆を必要とする職人やアーティストも減少しています。
  • 高齢化と後継者不足: 蒔絵筆を製造する職人たちの高齢化が進んでおり、技術を継承する若手職人が不足しています。これにより、伝統的な技術が失われる危険性が高まっています。
  • 原材料の入手困難: 蒔絵筆には動物毛(イタチ毛や人毛など)が使用されますが、これらの原材料も供給不足に直面しています。動物愛護の観点からも需要が減少しており、原材料の確保が難しくなっています。

このようにして伝統的な蒔絵筆の製造業者が減少し、入手が困難になってきています。使いやすい筆を安心して入手し、これからも伝統的な金継ぎや蒔絵を楽しむために、当社ではナイロン筆を代替として安定的に供給していきたいと思っています。

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