ガラスの金継ぎに
つぐキットが使えない?
ガラスの金継ぎは、通常の漆ではできないことを、知っていますか?ガラスのようなツルツルした面に、通常の漆は付着しにくいのです。このガラス用漆は通常の漆とは異なり、ガラスのような滑らかな表面に対する接着力を強化するために、少量の合成樹脂が添加されています。このため、ガラス用漆は、ガラスの金継ぎに対して通常の生漆よりも接着力が高く、効果的に使用できます。
通常の金継ぎと、ガラス金継ぎで
異なること
金継ぎや漆塗りで漆を乾かすには、漆風呂(うるしぶろ)・室(むろ)と呼ばれる、高温多湿(温度20〜30℃、湿度70〜85%)の環境下に長時間置いておく必要があります。使用期限が切れたり、高温の場所に放置して劣化した漆は、このような環境下に置いておいても、乾きにくくなります。
通常の漆との大きな違いは、ガラス用漆は乾燥に時間がかかります。通常の漆が数日から1週間で乾くのに対し、ガラス用漆は2〜3週間ほど、漆風呂の適切な環境で乾燥させることが推奨されています。
またガラス金継ぎでは、その仕上がりの色合いに注意が必要です。ガラス用漆は茶色いため、透明なガラス製品の場合、接着部分がガラスの横から見ると茶色く透けて見えます。このため、美観を損なわないように工夫した金継ぎを行う必要があり、中級〜上級者向けです。
食器にも安心して使えますか?
つぐつぐのガラス用漆は食品衛生法に適合しており、安全性が確保されています。これにより、食器などにも安心して使用できることが特徴です。
ガラス用漆の取り扱いの注意
ガラス用漆は天然の漆を使用しており、皮膚に触れるとアレルギー反応を引き起こしてかぶれる可能性があります。金継ぎ作業中は終始必ずゴム手袋を着用することが推奨されています。またゴム手袋は使い回しせず、一回きりの作業で捨てましょう。少量の漆が付着しているだけで、かぶれの原因になります。もし皮膚に付着した場合は油で拭き取った後に、石鹸と水で洗い流してください。万が一かぶれたら、医師にご相談ください。
使用期限は、通常の漆と同じく、製造から1年です。期限が近づくと乾きが遅くなるため、使い切れる量を購入するか、毎年新しいものに買い換えることが推奨されています。そのためつぐつぐでは、ちょうど良い20gを採用しました。キャップを開けていなくても、使用期限は1年です。使用期限が切れたガラス用漆を使用し続けると、失敗の原因になります。もったいなくても破棄しましょう。
また高温を避け、20度以下の光の当たらない冷暗所で保管してください。30度近い場所に保管すると、品質が劣化し、乾きにくくなり、失敗の原因になります。特に夏場は冷蔵庫での保管するのも良いでしょう。 ただし冷凍庫は禁物で、漆は凍ると乾かなくなってしまいます。
つぐつぐのガラス用漆が
安心して使える理由
使用方法を説明したマニュアルも付属しており、自分でガラス金継ぎを行う際の参考になります。ただし、ガラス金継ぎは高度な技術を要するため、このマニュアルだけで全てのタイプのガラスの破損を修理するのは難しいです。(ガラスへの単なる接着剤とは異なります)基本的な金継ぎ技術を習得した上で挑戦することが望ましいです。
つぐつぐの金継ぎ教室ではガラスの金継ぎ修理の方法を教えています。東京都内で通える方は、教室で学ぶことを強くおすすめします。